男性の方特有の症状
前立腺、陰茎、精巣(睾丸)などは男性特有の臓器です。特有の症状として、以下のようなものがあげられます。
- 前立腺がん検診で異常を指摘された
- PSA(前立腺特異抗原)値が高いと言われた
- 精巣や陰嚢が腫れた
- 陰嚢内に異物が触れる
- 陰茎、陰嚢が痛む、かゆい
- 亀頭、包皮に水疱やいぼができた
- 勃起力が低下した
- 陰嚢や会陰部に違和感や痛みがある など
男性泌尿器科でよくみられる疾患
前立腺肥大症
前立腺は、膀胱と尿道の間にあるクルミほどの大きさの臓器で、尿道を取り囲んでいます。前立腺液(精液の一部)を分泌したり、男性ホルモンを強くするなどの役割があります。
前立腺肥大症という名前をみると、前立腺が物理的に大きくなっていると思われるでしょうが、大きくなればもちろん肥大症ですが、実際の大きさはあまり変わっていなくとも、尿道が狭くなり排尿障害が出れば前立腺肥大症と診断します。
加齢とともに発症率が増え、55歳以上の日本の男性の5人に1人が何らかの症状を示すとされています。
前立腺肥大症の原因は完全には特定されていませんが、前立腺過形成が本態であり、加齢による男性ホルモンの変化が主な原因と考えられています。他にも遺伝的要因、食生活、肥満、生活習慣病との関連性が指摘されています。
前立腺肥大症の症状には、頻尿、残尿感、夜間頻尿、尿勢低下、尿線途絶(尿が途切れること)などがあり、多彩な排尿症状を示します。
とても頻度の高い疾患ですので、症状があれば泌尿器科の受診をおすすめします。
前立腺がん
泌尿器がん 前立腺がん膀胱がん
泌尿器がん 膀胱がん精巣がん
泌尿器がん 精巣がん陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)
陰嚢水腫とは、精巣を包む陰嚢内に液体が貯留している疾患です。もともと少量の液体はあるのですが、過剰に溜まると陰嚢が腫れてきます。痛みなどは伴うことは少ないため、そのまま放置する方も多いですが、増大して歩きにくくなったり擦れて皮膚が荒れたりして受診される方が多い印象です。
原因は不明のことが多いですが、炎症や腫瘍などによることがあります。陰嚢水腫の治療としては、陰嚢を穿刺して排液することもありますが、根本的な解決にならないため手術にて根治を目指すことが一般的です。
また、先天性陰嚢水腫として生まれたばかりの男児に稀にみられ、陰嚢とお腹の中がつながっているため、腹水が陰嚢に溜まる陰嚢水腫もあります。2〜3歳までに自然に閉じ改善することがあり、治療は行わず経過観察することが多いですが、年齢を経ても閉鎖しない場合は手術を行います。
精巣捻転(ねんてん)
精巣捻転は、10~20歳代に起こりやすく、精巣の軸である精索がねじれることで発症します。「突然」「激しい」痛みが陰部に起こります。痛みで吐いてしまう方もいます。陰嚢が痛いというと恥ずかしいから、隠して腹痛として受診する方を散見しますが、とても大事なことなので正直に言いましょう。
放置すると精巣が壊死しますので、速やかに受診してください。治療は原則、緊急手術です。
骨盤痛症候群(=慢性前立腺炎)
骨盤痛症候群は、鼠径部(足の付け根)や会陰部(陰嚢と肛門の間)を中心にその周辺の違和感や痛み、頻尿や残尿感、射精時の痛みなどが起こる症候群をいいます。以前は前立腺に炎症がある影響が考えられ慢性前立腺炎と呼ばれていました。
症状はストレスを感じるときや、性行為後や長時間座ったあと、刺激物やアルコールを摂取した後に悪化することがありますが、原因がはっきりしないことが多く、違和感を抱え続け悩んでいる方が、実際にはかなりいると考えられます。
診断は器質的疾患の除外が重要で、はっきりとした原因がない場合に診断します。治療は生活指導や、内服薬や漢方薬を用いて行います。
なんとなく続く陰部の違和感、痛みがある方はご相談ください。