性感染症価格表

初診料・再診料について

  • 当院では自由診療(自費診療)の方の初診料・再診料はいただいておりません。
    検査代、くすり代のみですので、安心して受診ください。
  • 性病(STD)検査では、自由診療だけでなく、保険診療も可能です。
    保険診療で行える範囲が限られておりますので、受診いただいてからご相談となります。
    相談のみは無料ですが、保険診療を受ける際には、通常通り初診料・再診料がかかります。

性感染症診療について

当院では性感染症治療も行います。
特に受診をためらうこともあるところかと思いますが、極力プライバシーに配慮した診療を行います。

  • お支払いは自動精算機で行います
  • 一般泌尿器科と入口は同じですが、動線をわけております。
  • LINE診察券があればQRコードで受付OK
  • 千葉駅からすぐ

性感染症とは

性感染症のイメージ写真

性感染症(STI:Sexually Transmitted Infections)は一般的には性病とも呼ばれ、性的接触により細菌、ウイルス、真菌などの病原体が皮膚や粘膜を介して体内に侵入し、感染・発症する感染症の総称です。
性交だけでなく、その類似行為(オーラルセックス、肛門性交など)でも感染する可能性があります。
性感染症に感染しても、自覚症状が現れにくいことがあります。そのまま放置すると、パートナーの方に感染させたり、逆にパートナーの方から感染したりする可能性があります。そのため、自覚症状がなくても、心当たりのある行為や不安がある場合は性感染症の検査を受けるようにしましょう。
性感染症は、不妊や合併症、後遺障害などのリスクがあるため、予防としてコンドームの使用、定期的な検査、ワクチン接種などが推奨されます。また、早期発見と早期治療が重要であり、治療方法は感染症の種類によって異なります。
コンドームは避妊具としての役割だけでなく、病原体を含むとされる精液や膣分泌液が粘膜に侵入するのを防ぐ効果もあります。完全に安全というわけではありませんが、コンドームを使用することで感染リスクは低減されます。ただ、こうした場合でも、定期的な性病検査を受けることをお勧めします。

当院では、保険診療との診察室をわけるなど、極力プライバシーに配慮した診療を行います。
明らかな症状がある場合、保険診療での診断も可能です。複数の性病検査を同日行う場合は症状があっても自由診療となりますのでご承知おきください。

主な性感染症

クラミジア尿道炎

クラミジア尿道炎とは

性行為などによって、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)という細菌が粘膜に感染し、尿道炎や精巣上体炎をおこします。
感染後1〜3週間程度の潜伏期を経て発症します。主な症状は、排尿時の痛みや尿道からの漿液性の分泌物ですが、男性も女性も症状は軽度なことが多く、感染に気づきにくいこともあります。オーラルセックスによってクラミジア咽頭炎をおこし、のどの痛みが現れることもあります。
気づかないうちにパートナーへ感染させてしまうこともあるため、感染の可能性があったり違和感があったりした場合には検査するようにしましょう。女性の場合、感染に気付かず感染状態が長期間続くと、周辺の臓器へ炎症が波及し、子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患(PID)、肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症 候群)を起こし、不妊や異所性妊娠の原因となることもあります。

検査について

尿や分泌物、おりもの(膣分泌液)、咽頭ぬぐい液を採取し、抗原検査法や遺伝子診断法を使用します。淋菌との同時感染も多いため、同時に検査することもあります。

治療について

治療には、一般的にマクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系といわれる内服の抗菌薬が使われます。重症の感染を起こしている場合は点滴による抗菌薬投与が行われます。
パートナー同士でお互いに感染させあってしまうこともあり、ピンポン感染を起こすためパートナーと同時に治療を行うと良いでしょう。

淋病

淋病とは

淋病は、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)によって引き起こされる性感染症です。性的接触を通じて感染し、男女で異なる症状が現れます。
感染後2~9日の潜伏期を経て、男性では尿道炎が現れ、排尿痛や尿道からの膿性の分泌物が排出されるなどの強い症状が見られます。
女性の場合は、子宮頸管炎が発症します。外陰部のかゆみや悪臭を放つ黄色っぽいおりものが増えることもありますが、症状が軽度なため、感染を放置したままになってしまうことがあります。骨盤内炎症性疾患や不妊症、子宮外妊娠や骨盤内疼痛の原因となるため、感染の可能性を疑ったら受診しましょう。

検査について

尿や分泌物、おりもの、咽頭ぬぐい液を採取し、培養や酵素免疫法(EIA法)、核酸増幅法(PCR法)などの方法を用います。クラミジア感染症と合併しやすいため、同時核酸検出などの方法を用いて、同時に調べることもあります。

治療について

治療は、抗菌薬投与を行います。一般的にセフリトアキソンの点滴投与またはスペクチノマイシンの筋肉注射が行われます。内服薬では治療効果が不足することもありますので、治療効果判定が必須です。

尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマとは

感染後、3週間から8ヶ月と長い潜伏期間を経て発症します。原因はヒトパピローマウイルス(HPV)の主に6型と11型によるもので、性行為などによって皮膚や粘膜の微細な傷から侵入します。感染すると、男性では、亀頭や冠状溝や包皮に、女性では、大小陰唇、会陰部、膣など外陰部や肛門の周囲にイボ(腫瘤)が現れます。
イボは数mm大~のカリフラワーのような形をしたものが、多数発生することもあります。
イボはパートナーへも感染しますので、見つけ次第受診するようにしてください。

治療について

治療には薬物療法と外科的治療があります。薬物療法では、イミキモドクリームなどの外用薬を使用しますが、完治までに数ヶ月かかることがあります。外科的治療では、電気メスでの切除やCO2レーザーによる焼灼、液体窒素による凍結療法が行われます。治療は数にもよりますが1回で完了することが多いですが、創部の治癒に1〜2週間程度要します。当院では外科的治療は行っておりませんので、必要時には紹介いたします。
なお、尖圭コンジローマは再発率が高いため、イボが見つかれば早期受診してください。

性器ヘルペス

性器ヘルペスとは

単純ヘルペスウイルス(HSV)が原因で、約2~10日の潜伏期間を経て発症する性感染症です。HSVにはHSV-1とHSV-2があり、HSV-1は口唇ヘルペスを起こし、性器ヘルペスを起こすのはHSV-2でした。しかしオーラルセックスが一般化しHSV-1が性器ヘルペスを発症することも増えています。
症状として、陰部に痛みを伴う水疱や潰瘍が現れます。女性の場合は症状が軽いこともあります。
HSVは治療後も神経節に潜伏します。ストレスなどで免疫力が低下するとウイルスが再活性化し、再発します。再発型は初感染時よりも症状が軽度な傾向があります。

治療について

抗ウイルス薬を用います。アシクロビル、バラシクロビルなどの内服や外用薬で治療します。重症化している場合は、抗ヘルペスウイルス薬の点滴を行うことがあります。再発型も同じ治療ですが、頻繁に再発する場合には、再発予防のために内服することもあります。

梅毒

梅毒とは

梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌に感染することで発症します。感染症法で5類感染症に分類されます。
梅毒の感染原因の大半は性行為によるものですが、母子感染(胎盤を介することで胎児に感染)でも発症します。児の先天性梅毒の原因となりますので、しっかりと治療しましょう。

症状・検査

梅毒トレポネーマの感染後、全身に散布され10日~90日の潜伏期間を経て発症します。

第1期
性器、肛門、口唇などに痛みを感じないしこり(初期硬結)が発生し、潰瘍になることもあります。また、太ももの付け根にある鼠経リンパ節に痛みのない腫脹が見られることもありますが、治療しなくても自然に消えてしまうことが多いです。
第2期
感染から数か月が経過すると、バラ疹(全身に赤い発疹)、性器や肛門周囲に扁平コンジローマ(平らなイボ状のできもの)、脱毛、梅毒性乾癬など、さまざまな皮膚症状が現れます。皮膚症状以外にも、全身の倦怠感や微熱、リンパ節の腫れなどが見られることがあります。これらの症状も自然に消えてしまうことが多いです。
第3期
感染から数年が経過すると、結節性梅毒やゴム腫(ゴムのような腫瘤)が皮下などに発生するほか、血管に影響が及び、大動脈炎や大動脈瘤など重大な合併症をおこします。
検査としては、採血して血中の抗体の有無を調べる血液検査(TP法、STS法)が行われます。

治療について

ペニシリン系の抗菌薬を内服で使用します。ペニシリンにアレルギーがある場合は、別の抗菌薬(テトラサイクリン系など)が選択されます。服用期間については、必ず医師の指示に従ってください。

HIV感染症(エイズ)

HIV感染症とは

HIV感染症はヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した状態をいいます。感染経路には主に性的接触(性行為や肛門性交)がよるものですが、血液感染や母子感染でも起こります。
主な症状として、感染初期(感染後2~6週間)に、インフルエンザに似た症状(発熱、喉の痛み、リンパ節の腫れなど)や全身に小さな赤い発疹が現れることがありますが、これらの症状は数週間で自然に消えます。
その後、無症状の期間が約10年続くとされていますが、HIVは免疫を担うリンパ球に感染し、これを破壊することでその人の免疫機能を徐々に低下させていきます。HIV感染症が進行し免疫不全の状態になると、健康な状態では感染しないような病原体による日和見感染症や悪性腫瘍を生じます。この状態をAIDS(後天性免疫不全症候群)と言います。

検査について

採血で、HIV抗体を調べます。ただし、HIV抗体が血液中に作られるまでに感染から時間がかかるため、感染していても陰性と出てしまう期間があります。これをウィンドウ期といいます。HIVにはⅠ型とⅡ型があり、1か月程度でHIV-Ⅰ型は検査可能です。HIV-Ⅱ型は感染したと思われる日から3か月程度の期間を空けてから受けることをおすすめしますが、ご不安であればまずは一度検査し、追加で検査をすることも可能です。

治療について

抗レトロウイルス療法(ART)が基本で、複数の抗HIV薬を組み合わせて服用します。HIVの増殖を可能な限り抑制し、AIDSの発症を防ぐことが重要です。